Saturday, April 02, 2005

大切な記憶

一生を通して出会う人は一体何人くらいなのだろうか。生まれた時からずっと当然のようにそばにいる家族。昨日まで知らなかった人と、今日テーブルを挟んで話をしている。明日、何処かで出会う人達。何ヵ月後には、思ってもいなかったほど近くなっている友達。

私が物心ついた時から、おじちゃんと、おばちゃんの膝の上に乗って遊んだのを覚えている。あの頃の自分はきっと、3、4歳だったに違いないが、しっかりと若かりし頃の祖父母の顔を未だに覚えている記憶には感謝だ。忘れてしまう、あいまいな記憶と、心に焼きついている大切な記憶の差は何だろうか?

人生を通し終えてみないと、人との距離の近さと深さは測りきれないものだろう。焦る必要は全くなく、時間を一緒に費やしたいだけ、費やしてみればいいのだろう。一緒の年代の友達とはこう語れる。ただ、人とは臆病なものであって、費やしただけの見返りや、価値や、損得など、無意味なことを考えてしまうのは、人生の一つの悲しい落とし穴かもしれない。私の人生の楽しみの一つは、大切な家族、パートナー、そして友達と、お互いにプラスになる時間を共有することだ。来世でも、この人に会いたいと思える人達と出会えることが私の人生の宝物だ。

愛とは与えるもの。きっと子供を授かった時に、与えるだけの、愛情の深さと愛おしさを、身をもって経験できる時なのだろう。私は祖父母から、気付かないうちにどのくらい深い愛情をもらっただろうか。祖父は、すでに他界してしまったが、常に私の心の中で生き続けている。

今日、国際電話で94歳になる祖母と話をした。ベッドに横たわっている姿を想像すると胸が痛かった。“りかは、何をしているの?” 懐かしい声が、私の心を包んでくれた。祖母の笑顔が頭の中に浮かんだ。 “アメリカでがんばって勉強しているよ。春の学期が終ったら一時帰国するからね。” “頑張れ。” という強い言葉が返ってきた。励ますつもりで、話をしていたのに、逆に励まされてしまった。私の両親を含めて、私の家族の力強さには、いつも改めて驚かされる。

“春の学期が終ったら一時帰国するからね。6月末のブレークには帰国するからね。おばちゃんも、頑張ってよ。明日、おばちゃんの好きそうな、ぬいぐるみを探してAirで贈るからね。”

Love,
Rika

1 comment:

Anonymous said...

頑張れ、りか!